壺中夢の47人のおんなたち

岐阜県篠田桃紅（1913〜）岐阜県出身　美術家

“一〇三歳になってわかったこと　人生は一人でも面白い”篠田桃紅著

水墨の抽象画家である篠田桃紅の経歴の中に受賞歴がないことに気がついた時、国内外で秀逸の作家として当然勲章が並ぶはずなのにと合点がいかず……つまり、受賞を断っているという解釈をしています。
103才まで独りで突き進んできた天地との戦いに他人から査定されたくないという意思の現れとしたら頼もしい侍根性の粋な女性です。作品の多くは大英博物館、MOMA、グッゲンハイム美術館、ボストン美術館など世界屈指の美術館に収蔵されています。知覚の芸術と本人の弁ですが筆を持った瞬間の空気に導かれて全身で勝負する生の芸術なのです、とすると103才の健全な精神を保つ日常は、自然に添い寝し続けられるエネルギーの保持と心の兆しに敏感であるための精神統一をしている人と推察します。
日本人としての誇りです。
永遠に生きていただきたいと祈ります。