宮崎県貴島テル子(1916~)宮崎県宮崎市出身 医師
日本最高齢の現役小児科医師98才、 現在は女医も多く活躍していて取り上げることに訝しく感じられることでしょう。大正、明治の時代は家庭にしばられず活動する女性に対する足枷は半端ではなく当時の苦労話は絶えることがない中のひとり、貴島テル子を紹介します。医師になる夢を陰で支えた夫は挙式から1年にも満たず戦死しています。益々世間の風当たりの強い中で27才から医師になる勉強を始め33才で医師になり54才で医院を開業しました。最愛の夫との間に子供がなく世の子供たちのために尽くそうと小児科医を選択します。その励みの源は亡夫と交わした戦地からの150通の手紙でした。
【遺書 最愛の照子へ 日米関係もいまやどんずまりに来た。有史以来、皇国にとって国難が迫ったこの秋、栄えある海軍軍人として第一線に立つ日本男児の本懐なり、死すべきときはいまこそなり、照子よ、悲しむなかれ、結婚日浅く照子に何らの幸福を味あわせざりしは気の毒に思うけれど、運なり命なり。余亡きあと然るべく身を処せられよ。良縁あれば遠慮するなかれ。父母によろしく。尚、テル子の将来の幸福を祈りてやまず。 12月8日 午後5時 パラオにて】
人間愛を語り交わす相手に恵まれることの幸せと手紙の内容から愛の大きさが見えてきます。
著書「75年目のラブレター」
COPYRIGHT © 2016 COTYUMU ALL RIGHTS RESERVED.